緊急アピール 国民の知る権利、表現の自由を奪い、戦争を準備する秘密保護法案を廃案にしよう 2013年11月6日 日本機関紙協会大阪府本部  安倍晋三政権が今国会へ提出し、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案とともに成立をねらう秘密保護法案は、「外交」「防衛」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」の4分野について、日本の「安全保障に関する情報」を保護するため、「行政機関の長」が「特定秘密」を指定し、それを漏らした公務員などに「懲役10年」もの重罰を科す弾圧法です。対象となるのは「秘密」を取り扱う公務員だけでなく、情報に接近しようとした国民や報道機関も処罰の対象にしています。  「安全保障」を口実に行政情報を国民から隠すことは戦前の暗黒政治に逆戻りすることであり、明らかに「軍事立法」です。「秘密は戦争の始まり」は歴史の教訓です。  秘匿の対象は、「行政機関の長」がその漏洩が「安全保障に著しい支障を与える」と指定するものとなっているだけで、すべての行政情報が対象にされかねません。何が「秘密」か、それ自体が秘密なのです。原発や原発事故、災害の情報がマル秘にされる危険性も指摘されています。「秘密」をもつ人からたとえ情報を提供されなくても、市民運動での情報接近や、報道機関やジャーナリストの取材・報道も「共謀」や「教唆」(そそのかし)とみなされ処罰の対象になります。政府が「配慮」してもメディアが委縮し国民は真実を知る機会を失います。  「特定秘密」を扱えるのは、「適性調査」で秘密を漏らす恐れがないと認められた公務員に限られており、事実上すべての公務員が対象で、情報を漏らす人かどうかを調べて評価します。調査対象が、家族、親せき、友人へと際限なく広がる恐れもあります。  「安全保障」を振りかざし、すべての公務員と国民を縛り上げる「軍事立法」は、国民の「知る権利」や「取材・報道の自由」を侵害するだけでなく、国民主権の原則や平和主義を踏みにじるものです。憲法で戦争を放棄した日本に、他国との戦争を前提に国民の目や耳をふさぐ「軍事立法」は必要ありません。  安倍政権が日本版NSC法や秘密保護法に執念を燃やすのは、日米軍事一体化を進めるため、アメリカが情報の管理の徹底を要求しているからです。  戦前の日本には軍機保護法や国防保安法があり、「国防上外国に対し秘匿することを要する」情報を漏らせば厳罰に処せられました。戦後も自民党が再三、「スパイ防止」を口実に国家秘密法を提出しましたが国民が阻止してきました。  私たち機関紙を発行する広範な労働組合、団体は、読者・国民に真実を知らせ、平和で安心できる社会を願って日々活動しています。国民の目・耳・口をふさぎ、日本を戦争に巻き込む秘密保護法案を絶対に許しません。廃案を強く求めます。