Wordにないメリットは? 「押さえて流す」が自在に

①新聞レイアウトの基本は「押さえて流す」
①新聞レイアウトの基本は「押さえて流す」

Q.Word(ワード)にはない「パーソナル編集長」のメリットは何でしょうか?

 

新聞レイアウトの基本

 前回に続いてWordと「パーソナル編集長」の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

 

 縦書き新聞の編集では、隅や端にカコミやタタミなどの「ハコもの」、写真、イラストを配置して、右上トップから左下に記事を流していく「押さえて流す」手法が基本です。

 縦書き新聞の流し記事は、2段以上の見出しや写真、カコミに当たったら1段下の右端に読み進むのが鉄則で、例外は「ハコもの」(カコミ記事)の中だけです(①)。「ハコもの」の中では見出しを飛び越えて読み進みます。

 

 

②Wordでは〔文字列の折り返し〕で「行内・四角・外周・前面・背面・内部・上下・背面・前面」から選ぶ
②Wordでは〔文字列の折り返し〕で「行内・四角・外周・前面・背面・内部・上下・背面・前面」から選ぶ

 

Word「文字の折り返し」とパソ編「回り込みパターン」の決定的な違い

 

 「パソコンで新聞を編集するとき、見出しや写真、図形などのオブジェクト(浮遊物)と文字の流し方を設定しなければなりません。

 Wordでは〔文字列の折り返し〕の設定で「行内・四角・外周・前面・背面・内部・上下・背面・前面」から選びます(②)。

 「パーソナル編集長」では、オブジェクトの〔〇〇属性〕→〔回り込み〕→〔回り込みパターン〕で「上下配置・上下空け・改段・跳ね返り・なし」から選択します。

 どちらも同じような設定項目ですが、2段以上の見出しにぶつかったとき、「パーソナル編集長」なら「回り込みパターン」で「改段」を選べば右下に流せます。これは新聞編集では決定的に大事なことですが、これと同じ役割をもつ設定項目がWordにはありません。

 逆に言えば、「パーソナル編集長」を使っていても「改段」の意味が分かっていなければ、せっかくの機能も〝宝の持ち腐れ〟になってしまいます。

 

③Wordでは2番手の見出し以降の記事は、新たにテキストボックスを作って流さなければならない
③Wordでは2番手の見出し以降の記事は、新たにテキストボックスを作って流さなければならない

 

【ワード】右下に流せない

 Wordでは、右上から左下に記事を流す途中に、2段以上の見出しのついた2番手の記事を配置することは容易ではありません。

 トップ記事が右上から流れてきて2番手の記事の見出しに当たっても右下に折り返すことができません。障害物に当たったら「折り返して下に進む」という設定がないのです。

 そこで、見出し以降はすべて一段ずつテキストボックスを作成しなければなりません(③)。

④「パーソナル編集長」では本文を折り返したいところにあるオブジェクトの〔回り込みパターン〕で「改段」を選ぶと、記事は跳ね返って右下に進む
④「パーソナル編集長」では本文を折り返したいところにあるオブジェクトの〔回り込みパターン〕で「改段」を選ぶと、記事は跳ね返って右下に進む

 

【パーソナル編集長】「改段」で右下へ

 「パーソナル編集長」では、見出しのコラム枠を選択し右クリック→〔コラム枠属性〕→〔回り込み〕タブ→〔回り込みパターン〕で「改段」を選べば(④)、記事は見出しに跳ね返って右下に進みます。記事があふれたときは、見出しの左上部から新たに流れていきます。ちなみに〔回り込みパターン〕を「跳ね返り」に設定すると、見出しの左側には記事は流れません。

 このように「押えて流す」が自在にできる点でも、「パーソナル編集長」ではWordよりもラクにストレスなく作業を進められます。