新聞作り入門

Ⅰ なぜ新聞を発行するのか

 

1 機関紙や広報紙の役割を考える

①活動の目的や方針を実現する
 各団体の理念や活動目的を実現するためには、構成員への情報伝達が欠かせません。

②構成員・読者の要求を代弁して共通の認識を広げる
 情報を共有して、みんなの要求を実現します。

③活動の推進役
 機関紙中心の組織活動で「みんなが主役」の活動を推進します。また、機関紙を「読む」ことと同時に「作る」活動が人を育てます。

④世の中に存在をアピール
 機関紙、広報紙は組織や団体の顔です。世の中にアピールして活動を広く知ってもらうことで支持を広げることができます。

⑤みんなの意見発表や交流の場として、言論の自由を実践
 情報の一方通行では読まれません。読者が登場し、言論の自由を実践します。

 

2 文字情報には社会を動かす力がある

⑥学習を深め、心を動かし、行動を起こさせる
 機関紙、広報紙には教育的な役割もありますが、人は心を動かされてこそ行動するものです。読者の知的欲求に応え、読んで役立つ、タメになる内容にしましょう。娯楽的面白さや文化性も求められます。

⑦世論を動かす、社会を変える力がある
 世論を作るのはマスコミだけではありません。1つ1つの発行部数は少なくても、世の中にはたくさんの機関紙、広報紙があり、大きな力を持っています。

⑧すぐれた記録性、説得力・信頼性
 文字で情報を伝えることには2つの重要な意味があります。1つは、情報の記録性です。団体や機関の歴史を文字にすることで、後世に伝え前進していく力になります。
 2つめに、文字情報の説得力と信頼性の高さです。これだけテレビやインターネットが普及しても、新聞や雑誌はなくなっていません。

⑨同じ情報を正確に、同時に、多数の人に、たやすく、安価に伝える
 情報を得るのに、パソコンや携帯端末、音声・映像再生機など電気機器を必要としない、身近さ、手軽さが新聞の特長です。多数の人に対し同時に、正確に、安価に伝えるには新聞が最も容易です。

⑩絆を深める~いろんなメディアで
 機関紙や広報紙は人と人を結びつけ、絆を深める手段の一つです。他に直接的な口コミ、電子メディアなど、それぞれの媒体の特徴を生かして活用すれば相乗的な効果が期待できます。とくにインターネットは人間のコミュニケーションに、紙のメディアではマネできない革命的な変化をもたらしました。