Ⅱ「新聞」形式には意味がある
新聞らしさと新聞の機能
①物語のある短い文章=記事
簡潔で起承転結や物語性がある記事が新聞の最大の特徴です。短くても物語のある文章に読者は心を動かされます。
②公的発行物としての必要項目
個人的な手紙や日記と違い、定期的に公的文書として発行するため、記事以外に必要なものとして、題字(新聞の名前をデザインしたもの)、題字下(発行年月日、発行号数、団体名、連絡先、発行責任者などを明記)、欄外(題号やページ数、号数、発行年月日を明記)があげられます。新聞は製本しないので、全ページに「欄外」を掲載します。
③基本組みが決まっている
新聞は毎号同じ基本組みで編集します。基本組みとは、紙の大きさ、文字方向(縦書きか横書きか)、本文の文字の大きさ・字詰め・段数・左右の行数のこと。
④多段数制だから速読・メリハリ
もし新聞に段がなかったら、単純すぎて行の途中で眠くなったり、次の行に読み進むとき行を間違えてしまうかもしれません。字詰めを少なくして、段組みにすれば、折り返しごとにテンポよく次の行に速く読めます。
一般に単行本や文集は1段で、月刊誌は2~3段、週刊誌は4~5段。速報性が高いほど字詰めが少なく、速く読めるように作っているのです。機関紙・広報紙でも、多段数制で作るのは、忙しい読者に短時間で読んでもらうためです。
また、見出し、ハコモノ、画像なども配置して、紙面にメリハリをつけるには、多段数制の方がやりやすいのです。メリハリを効かすことで、読者はそれぞれの記事の中身や重要性を瞬時に判断することができるのです。