新聞作り入門

新聞のかたち 分かりやすいよう崩しています
新聞のかたち 分かりやすいよう崩しています

Ⅲ 新聞編集の特徴とレイアウト

 

新聞のかたち(左図の番号の説明)

①題字 新聞の名前(題号)をデザインしたもの
②題字下 発行号数、年月日、団体名、住所、電話番号、メールアドレスなど
③欄外 ページ数、号数、題号、発行年月日をすべてのページに書く
④ガク見出し カット見出しとも言い、トップに置く
⑤リード(前文) 記事の概略、要約を書く
⑥通し組み リードは2段を通し、カコミは3段を2つ割りに通し組みした
⑦カコミ ケイ線で記事を囲む、これは4方カコミ
⑧タタミ ケイ線で記事を左に寄せつけた
⑨渡し組み ハコものの中は見出しを中央に置き、記事が飛び越して読み進む
⑩クミコミ 記事に見出しやタイトルが割り込んで部分的に字詰めを変える技法、ワリコミとも言う

 

 

新聞の編集レイアウトの基本

①全体をイメージしバランスよく
 集めた記事を紙面に割りつけることを編集レイアウトと言います。新聞づくりは、最初に紙面全体の出来上がりのイメージがなければうまくいきません。
 文字ばかりという印象にならずに読みやすくする本文文字量は、紙面の50%~60%程度。題字と題字下、見出し、写真、図表、カットまんが、ケイ線などが結構なスペースを占めます。新聞は速読が基本ですから、文字情報量と見栄えのバランスが大切です。
 縦書きの新聞は、右上から読み始めるので、1ページ目の右上がトップ記事。編集者が一番大切だと判断した記事をトップに置きます。2番手はトップに続く中央から左下へ向かう記事。3番手は左上、4番手は右下となります。

②新聞は3度読ませる
 読者が紙面を手にしたとき、真っ先に視線に飛び込んでくるのが見出しです。見出しから、何が書いてあるのかを知り、読んでみたいなと関心を持ちます。見出し文字は目立つよう、スペースを取って大きくし、書体(フォント)、線の太さ、位置取りなどをさまざまに工夫します。
 次に読者はリード(前文)を読んで記事全体の概略、要約、結論を知ります。トップ記事や長い記事につけると効果的です。
 一般に、リードには「通し組み」という技法を使います。たとえば1段が11字詰めの基本組みなら2段以上を取り、字詰めを増やして書きます。さらに天地左右に空きを設けたり、線で囲んだり、書体を変えるなどして、本文記事と区別します。
 読者は見出しとリードに導入されて、さらに本文を読み、詳しい内容を知るのです。

③レイアウトは押さえて流す
 新聞のレイアウトは「隅から、端から、下からつくる」のが基本です。連続もの、連載など定位置に置くもの、四角にまとめたハコもの(箱物)を周辺に置き、最後に右上から左下にトップ記事を流していきます。このような新聞レイアウトの基本的な方法を「押さえて流す」と言います。
 ポイントとなるハコものには主に、タタミとカコミがあります。